うつ病が回復してくると、必ずあることが「減薬」です。
減薬することで、薬で太っていた方は痩せるし、頭の回転が遅くなっていた方は元に戻ります。
しかし、外部環境からの精神的な接触が増えることになります。
薬のおかげで今まで深く考え込まなかったことが、徐々に考えやすくなってしまうことや、私の場合、なぜか焦燥感にかられることがあります。
減薬は「良いこと」ではありますが、一時的に離脱症状を引き起こしてしまいます。
では、このような場合に、何に気を付ければよいのでしょうか。
■人の行動を観察してみる。
さて、頭の回転が戻ってきたところで、人の行動を観察してみるとしましょう。
「こうされると嫌な気分がした→ではどのように振舞えばよいか。」
「こうされている人が嬉しそうにしていた→自分もそのように振舞うにはどうしたらよいか」
第三者的な目線から見ていて、自分はどのように振舞うかを観察しておくとよいでしょう。
薬は日を追うごとに徐々に体内での濃度が薄くなりますので、だんだんと頭の回転が戻り意識がはっきりしてくるでしょう。その時にどのように振舞ってよいかわからないとまた心に波が起きてしまいます。できる限りお互いの人間関係に波が起きないように人間観察をしておくとよいと思います。
■人と関わってみる
投薬治療をしていると、どうしてもセリフがうまく出てこないなどがあって、若干コミュニケーションがうまくいかないことはありませんでしたでしょうか。減薬になったら、親でも友人でも一番接しやすい人とコミュニケーションをとってみることが大事だと思います。今までうまくセリフが出なくても仲良くしてくれた仲間なら、「こいつ明るくなったな」「こいつうまいこと言うようになったな」と思ってくれるかもしれません。(※あくまで個人の感想です)
人と関わることで自分の環境が整ってきますので、是非とも一歩踏み出してもらいたいと思います。
私も先日の減薬から新たな習い事を始めてみようと画策しております。
■減薬前と比べ、生活の質を上げるよう意識する。
私は減薬をした時の反動で、若干うつ状態に戻りかけてしまうことがあります。そんな時、寝込んでしまうとうつ病が再発しかねないと思います。生活の質を上げていくためにも、できることからコツコツと積み重ねていくことによって、一日の充実感を少しでも多く得られるとよいと考えております。
持久走と同じで、減薬により一時的に苦しいかもしれませんが、走っているうちに徐々に体力はついてゆくものです。減薬というスタートを切ったのであれば、ゴールを目指した生活が重要になってくると思っております。
どうでしょうか。3つとも比較的似たり寄ったりかもしれません。
ですが、それでよいのです。
すべての事柄の合流地点が終着点だとすれば、減薬によって今まで分離していたものが一点に集まろうとしているのですから。
減薬が開始されればゴールは目の前です。
第三者の目で観察し、行動を習得してから、人とのコミュニケーションに活用することで、周囲の環境が固まると同時に生活の質が上がる。
恐れず、また、突っ走らず、段階を踏んで直していくことが大切だと思います。